9月28日(日)、地域マネジメント学部が主催する「高校生地域マネジメントコンテスト2025」を本学にて実施しました。
 「高鳴る!地域の鼓動。響け!私たちの夢。」を合言葉に、中四国の高校から45作品(11校)が寄せられました。その中から厳正な1次審査を経て選ばれた岡山・広島・愛媛の6校が山陽学園大学に集結し、力強いプレゼンテーションを行いました。会場では発表とともに質疑応答も盛り上がり、互いの視点を深め合う場となりました。表彰結果は以下のとおりです。

 最優秀賞は岡山県立西大寺高等学校の『We are the future of SAIDAIJI!!!〜北前船寄港地に関する取り組みを中心として〜』が選ばれました。西大寺地域が、北前船の寄港地であり、物流や情報の拠点として大きな役割を担っていたという意外な事実を広く広めようとする、意欲的な活動が評価されました。

 優秀賞1作品目は、岡山県立瀬戸南高等学校の『瀬戸の花夢プロジェクト ~Set on an innovation~』です。農業教育に強みを持つ同校で販売される花苗は、大変な人気商品ですが、季節的な閑散期がありました。閑散期の原因を探り、どのような花苗・植物なら販売できるのか、徹底的に調査した力作です。

 優秀賞2作品目は愛媛県立丹原高等学校の『花木が彩る地域の農業 〜目指せ地域の母樹園〜』です。愛媛県でも、高齢化により農業の衰退が危惧されます。高収益ながら生育が簡単ではない花木に着目し、科学的アプローチを駆使し、経済的・技術的に成立する花木栽培を提案しました。

 岡山商工会議所会頭賞は、岡山県立岡山東商業高等学校の『ファジアーノ岡山J1昇格による奉還町商店街への影響と活性化提案』です。地元サッカーチーム・ファジアーノ岡山のJ1昇格をきっかけに、奉還町商店街の活性化を目指す意欲的な計画です。徹底的なアンケート調査で、効果の大きい特典制度や営業時間のあり方を追求しました。

 奨励賞1作品目は、英数学館高等学校の『ばらの町で彩る未来〜ローズウィンドウと平和のワークショップ〜』です。バラで知られる福山市にある同校ならではの、バラに着目した新たなローズウィンドウという美しいアイテムの開発と、平和教育を結びつけたユニークなプロジェクトです。昨年から続く、粘り強い取り組みが評価されました。

 奨励賞2作品目は岡山県立真庭高等学校の『竹害を価値に変える!竹パウダーで築く地域循環ビジネス』です。竹がコントロールされることなく繁殖してしまうことによる、土砂災害や獣害が危惧されるため、不要な竹を有効利用しようという試みです。「竹パウダー」の肥料効果、土壌改良効果、防草効果、消臭効果を実際に検証し、利益を得る方法を具体的に検討しました。

 今年のコンテストでは、高校生がそれぞれの地域に根ざした課題を発見し、科学的調査や斬新な発想をもとに解決策を提案しました。地域社会に真摯に向き合う姿勢と柔軟なアイデアが光り、参加者や来場者に大きな刺激を与える場となりました。
 また、閉会後の交流会では、地域マネジメント学部2年生有志が開発を進める「瀬戸内の塩チョコレート(仮称)」の試食を通じて高校生同士の交流が生まれ、和やかな雰囲気のなかで締めくくられました。来年度も、多彩で意欲的な挑戦に出会えることを楽しみにしています。