学長挨拶

教育理念「愛と奉仕」に基づく人間教育

学長 斎藤 育子

「出会い」が培う人間性
―“Student First” をモットーに―

学長 齊藤 育子
山陽学園大学 / 山陽学園短期大学 学長 博士(教育学)

 山陽学園は、1886(明治19)年に女子教育を求めた人々の祈りの中から生まれました。その教育理念である「愛と奉仕」は、世代から世代へと脈々と伝えられ、本年は137年を迎えます。創立以来、岡山孤児院の創設者石井十次をはじめ、中川横太郎、炭谷小梅、大原孫三郎、星島二郎等々、実に多くの高潔な方々の愛に支えられ発展してきました。今日では、男女共学の幼稚園・中学校・高等学校・短期大学・大学・大学院、そして助産学専攻科を設置する総合学園として、岡山の地から着実に「愛と奉仕」を体現する多くの優れた人物を世に送り出し、地域の皆様から多大な信頼をいただいております。

 本学では、基礎的ならびに高度の専門的知識や技能の修得のための教育はむろんのことですが、それらの根基としての、真に人間らしい「生き方・在り方」そのものについて、自主的に考えることのできる「人間教育」を推進しています。そして、創設以来の「一人ひとり」を人格として尊重し、内面の自発的な活動を大切にしてきた学風を “Student First” と表現し、本学のモットーとしています。教職員は、常に「学生にとってはどうなのか」と自問しながら、学生本位の教育とサポートに専心しています。本学が、多くの方々に愛され認められてきたのは、学生の皆さんがこうした教職員との人格的交わりの中で「人間」として大切にされ、その人ならではの持ち味を生かして自由闊達に活動できる大学であるからにほかなりません。

 その教育の根幹には、「人と人との出会い」があります。特に若い時代に、どのような人に「出会う」かは、極めて重要なことだと思います。本学園の教育の基盤を築いた上代 淑先生も、先にあげた人々をはじめ国内外の秀でた人々との人格的交わりを通して、ご自身の生き方・在り方を自覚的にただし、自らの人間性を高められました。学生の皆さんにも講義や演習、実習や海外留学・研修、フィールドワークやインターンシップ、サークルやボランティア活動などを通して、出会った人々の持つ多様な価値観との「出会い」を大切に、人間性の向上を目指した大学生活を送っていただきたいと願っています。

 現在大学は、男女共学の大学院看護学研究科(修士課程)、看護学部看護学科、総合人間学部言語文化学科・ビジネス心理学科、地域マネジメント学部地域マネジメント学科、助産学専攻科(女子のみの1年課程)で構成されています。短期大学には、健康栄養学科、こども育成学科があります。これらすべてにおいて、激変する社会のなかでも、培われた人間性に支えられ、高い志を持って社会に貢献できる実践力を身につけた人材を輩出しています。

 教職員一同、皆様との真の「出会い」ができますことを祈念しております。